大学の理念/大学の特色

※令和3年7月1日より、大学の理念を改定しました。

大学の理念

 国立大学法人京都工芸繊維大学は、百二十有余年前、京都高等工藝学校及び京都蚕業講習所に端を発し、永きにわたり発展を遂げてきました。この間、日本文化の源である京都の風土の中で培われた、〈知と美と技〉を探求する独自の学風を築きあげ、学問、芸術、文化、産業に貢献する幾多の人材を輩出してきました。
 二十一世紀において、本学は、国立大学法人として、自主自律の大学運営により社会の負託に応えるため、地球時代で顕在化し直面している幾多の課題の解決法を探求し、未来の持続可能な世界を実現する使命を負っています。
 そのために、京都発の先鋭的な国際的工科系大学KYOTO Institute of Technologyとして、これまでにない新しい発想や価値の創造を実現すべく、ここに本学の理念を宣言します。

理念
  1. ART×SCIENCE、すなわち、未来を拓く夢?科学的空想?イノベーションのための飛躍につながるARTの発想と、緻密な分析に基づき、これに具体的形を与えるSCIENCEを統合させ、新価値の創造を目指します。
  2. LOCAL×GLOBAL、すなわち、質の高いものづくりと信用に支えられたLOCALで培われた〈京都思考〉に基づき、持続可能な世界的問題を解決するGLOBALな〈地球思考〉を併せ、新価値の創造を目指します。
  3. TRADITION×INNOVATION、すなわち、京都の歴史?文化TRADITIONへの深い造詣?共存と、それを基盤として磨かれた匠の技INNOVATIONを掛け合わせ、他に追随のできない信用ある新価値の創造を目指します。
社会的使命

 国立大学法人京都工芸繊維大学は、京都が持つ知と技を活用して、教育研究を展開し、新たな価値創造による次世代の社会システムを構築することにより、地球と日本の未来に、人類が「平和で豊か」な美しい社会を育むことに貢献することを社会的使命として掲げ、以下に具体的戦略をアクションとして示します。

アクション
  1. 公共財として知的資源を集約させてきた本学は、教育研究を構造的?総合的に改革?推進するシステムを配備します。
  2. 本学は〈京都思考〉をベースとした、教育研究の基盤インフラであり、世界の知的機関とネットワークを構築し、人的?知的情報交換を推進するハブとなります。
  3. 京都地域を牽引し、産業のるつぼ〈京都バレー〉を構築し、また社会の発展を牽引すべく知的貢献を為します。
  4. 産業イノベーション、未来社会構築のための、異分野横断型の新領域構築システムを揺籃し、経済社会メカニズムを転換する新たな価値を創造する駆動力となります。
  5. 大学のガバナンス構造改革を進め、高い自律性を有し、内部質保証として業務のPDCAサイクルにより見える化と迅速な改革を促進します。

大学の特色

本学の持つ価値

 本学の探求する〈知と美と技〉は、京都の文化?文明をベースとしたものです。それは以下に示されるものです。

  • 高技術?高品質?完璧さを備える匠のものづくりと信用ベースの人間関係
  • 卓越したシステムとスタイルの構築と発信
  • 文化のダイバーシティと千年の知恵の集約
  • 京都の地域社会から学ぶ発想と実装
  • 問題解決を為すデザイン思考から未来の飛躍的発想を為すアート思考
  • 異分野和合の知見による新領域学問の創成
人間と環境重視の学問

 京都では、現在の日本文化の源となる文明、すなわちシステムや制度が造られてきました。この京都の地において、本学は、百二十年を超える歴史の中で培った学問的蓄積の上に立って、「人間の感性を涵養し、精神的な潤いや自然との調和を強く意識した、普遍性のある科学技術の創生」というヒューマンオリエンテッドな科学技術を基軸に教育研究を展開してきました。
 工芸科学部?大学院工芸科学研究科の一学部?一研究科で構成される本工科系大学には、応用生物学、物質?材料科学、電子電気工学、機械工学、情報工学?人間科学、繊維科学、建築?デザイン学から基盤科学までの幅広い分野において、多元的な社会実装を目指した個性ある教育研究を行っています。
 こうしたことを反映した各学域のビジョンを別添表に示します。

歴史と緑に包まれた研究?教育環境

 千二百有余年の歴史を有する京都は、芸術?文化の蓄積があり、その発信力は今も生きています。同時に世界の優れた頭脳が集う知性溢れる国際情報交換都市でもあります。
 本学は、この京都の都心に近く、洛北松の山々の麓にある平安京開闢以来の農耕地、豊かな緑と数多くの史跡に囲まれた松ヶ崎にあります。歴史と自然に触れ合いながら、卓越した知性と進取の気風の漂う中で、創造性と感性を自ら育み磨いていくことができるのです。