所属 | 施設マネジメント課 |
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氏名 | 永原 実 |
期間 | 平成29年11月11日~平成29年12月2日 |
派遣先 | ディーキン大学(オーストラリア) |
本研修は豪州ビクトリア州にある提携大学であるディーキン大学を訪れ、スタッフとの意見交換を行い、異文化理解並びに豪州大学の管理運営や日常の業務を学ぶと同時に付属の語学学校に入り語学を習得し、今後益々増加するであろう国際的な業務に役立てることが目的である。
ディーキン大学はオーストラリアで9番目に規模の大きな大学であり、42,000人以上の学生が所属している。そのうち約5分の1にあたる8,000人ほどが海外からの留学生で、100カ国以上の国の学生が所属している。2016年9月22日に発表された「The Times Higher Education World University Rankings 2016-2017」にて、世界の大学のうちトップ2%にランクインしていたり、「世界の創立から50年以内の大学ランキング(the Times Higher Education Young University Rankings)」で43位にランクインするなど、急成長を遂げており、大学全体の評価が高いだけでなく、分野のレベルも高い。
最新のQS University Rankingsによる「The University experience excellent results in the 2017 QS Subject rankings」において、看護学の分野で24位、教育分野で28位、会計?財務、人類学、経営学、メディアコミュニケーション、法学の分野それぞれが世界のトップ1%にランクインしている。ShanghaiRankingsによると近年、スポーツ科学の分野で世界No.1という順位をキープ。就職にも強く「卒業後の就職率ランキング」ではオーストラリア国内で3位になっている。
ディーキン大学は4つのキャンパス及びオンラインで学べるoffキャンパスから成り立っている。
1週目に訪問したバーウッドキャンパスは1番学生数が多く12,000人の学生がいる。ここではナース、教育、スポーツ科学、商学等が学べる。中心街からはトラムで約45分と少し離れており、ビルなどの建造物は少ない。トラムで10分程の距離に24時間空いている大型スーパーや飲食店も不自由しない程度にあるので過ごしやすい環境であるため付属語学学校DUELIに関しては日本人も多く、海外慣れしていない人からすると過ごしやすい。
2、3週目に訪問したウォーターフロントキャンパスは学生数約5,000人ほど。3つのキャンパスの中で3番目に小さいが、ここに本部があり、学長や副学長も基本的にこのウォーターフロントキャンパスにいるため、重大な決定事項はここで決められる。昨年は外務省のような国際的な省庁の大臣が訪れるなど主要な会議がここで行われた。ここでは主に建築や法律、医療、ビジネスなどが学べる。このキャンパスには、毎年海外からの留学生が400名ほど学部?院等に入学し、全学年を合わせると約1500人近くで、4分の1ほどが海外からの留学生である。
生活に関しては、博物館や映画館などはあるが留学生が遊べる施設等はあまりなく、図書館が24時間休日問わずあいているので、勉強をするには適した環境である。目の前にはきれいな海がありリラックスにも適している。この街で見かけるほとんどが現地のオーストラリア人であり、たまに中国人をみかけるといった程度。環境は良いが人によっては少し心細いと感じることもありそうだ。このキャンパスは歴史的な建物を大々的にリノベーションして建てられた建物であり、1800年代後半から1990年までウールの生産会社として運営されていた。
ウォーンポンドキャンパスはディーキン大学の中で最初に設立されたキャンパスで、比較的規模は大きい。ウォーターフロントキャンパス間は大学のバス(無償)を利用して約30分ほどで行き来することができ、ここではスポーツサイエンスやエンジニアリングジャーナリズム等を学ぶことができる。キャンパスにはIFM(Institute for Frontier Material)と呼ばれる世界的に有名な機関があり、世界中の化学繊維やエンジニアの専門家が研究や視察のために訪れている。
最近までは車会社のフォードの工場やアルミ製作の工場等産業が栄えていたが、製作価格の安い中国などに移ってしまった。その代わりに交通事故にあった人のケアや障害を持った人が就職するためのケア施設など政府機関がジーロングに拠点を移し労働者や街の活性化を確保している。大きな民間病院が3つ、公的病院が1つあり、医療のまちとしても知られているようである。また、ジーロングで勉強すれば永住権が得やすくなるなどのアドバンテージもあるようだ。
政府や地域のコミュニティや学校で協力し合い、ジーロングを知ってもらうための広報とジーロングに住んでいる人たちがより快適に良い経験をできるようにするための活動。主にはホームページを使い広報を行う。月に1回会議があり、数カ国語で表示された言語標識を増やせないか、交流のイベントをどうするか等を話し合うようである。
今回は時間の関係で訪れることができなかったが、メルボルン市内から車で3時間のグレート?オーシャンロードに位置するところに1,000人ほどの規模ではあるがキャンパスがある。ここはオーストラリアに2つしかない海洋科学を専門的に学べたり、主には水産に関することが学べる。
4つのキャンパスの他にオンラインのクラスがある。今でこそインターネットの普及により多くの大学にサテライトなどオンラインのクラスが普及しているが、ディーキン大学は設立当初の1970年代後半からすでに始めていた。国際郵便で講義を録画したボイスやビデオを送ったり、国際電話によるディスカッションの参加といったことを行っていたようで、オーストラリアで最も有名なオンラインクラスの2つのうちのひとつであった。インターネットに移行した今でも高い評判を受けている。
ディーキン大学は日本の2学期制とは違い3学期制を採用している。学期のことをセメスター、履修科目のことをユニットと呼ぶ。オーストラリアにおいても基本は2学期制であり、イノベーティブな取り組みの1つである。3学期制にすることで1,2学期で取りこぼした単位を挽回しやすい。また2学期までで単位を全て取り終えた場合には3学期を自分の好きな時間にあてることができ、様々な体験がしやすくなっている。海外からの学生は例外もあるが、基本的に3セメスター目もビザの関係で通学しないといけないようだ。通常は1年間で8ユニット取得する。1セメスターは最高4ユニットまで取ることができ(3セメスター目は2ユニットまで)、早く取得できた際には通常3年のところ最短2年半で卒業することができるのも3学期制のメリットである。
ディーキン大学は部署ごとにスタッフを雇用している。そのため施設には施設の専門スタッフ、国際関連の部署には国際的なことを専門に勉強してきたスタッフが働いている。本学は、事務方のスタッフに関しては部署間を異動するのが基本であるため大きな違いである。また、ステップアップするには資格やマスターの資格が必要となり、特に上のスタッフになるにはマスターは重要。
短期で英語を学びに来た人、学部や院で学ぶのに必要な英語力を満たしていない人が入る語学学校であり、バーウッドキャンパスとウォーターフロントキャンパスの2つに設置されてる。
DUELIは主に2つのクラスに分けられる
主には短期的に語学を勉強する目的の人たちが所属するクラスで、レベルは1~9まで。学部進学を目的としないためゲームなど楽しみながら学んでいるように思えた。日本から来た学生は最初は主に4または5のレベルから始まる。
主には、終了後にディーキン大学の学部や院へ進学する人向けのクラスで、授業内容は論文の書き方などが中心で、より学術的なことを学ぶ場。短期留学の場合でもEAPで学ぶことは可能であるため、数人の短期留学者も見受けられた。その他、ナース専門のクラス、ILC専門のクラス等がある。
ILCと呼ばれる自習のための時間が1時間セッティングされており、映画を見ながらリスニングを学んだり、ゲームをしながらスピーキングを学んだり、本を読んでリーディングを学んだりできる。
DUELIは語学学校の学生への満足度調査で7年連続ビクトリア州(10大学)の中で1位をとっており、また民間調査会社の調査においても語学学校でオーストラリア1位になるなど学生からも外部からも高い評価を受けている。理由は生徒へのサポートや学ぶ環境が整っていること。及び遊びと勉強のバランスがうまく取れているところにあると思う。実際多くのレッスンに参加させていただいたが、指導のための設備(タッチパネル式のボード等)や24時間勉強できるスぺースが有るなど勉強の環境は非常によく、グループワークも多いため友達も作りやすい。また課題も多く出されるため語学力が確実につきながら友達との交流もはかれるようである。
DUELIには学生同士が仲良くなるためのイベントがいくつか用意されている。
1take(5週間)に一回学生ボランティアによって開催されるイベント。新しい友達をみつけたりより仲良くなったりするイベントであり、ゲームをしたりチョコやクッキー、コーヒーなどが無料で配布される。
休日を利用して「ペンギンに会えるフィリップアイランド」や「グレートオーションロード」へ旅行するツアーをDUELIスタッフが計画してくれる。先生が引率してくれるが、各国ごとの開催で、日本人は日本人同士で行くようである。(バーウッドキャンパスのみ)
ディーキン大学を卒業した地元のオーストラリア人がボランティアで来てくれて皆でスナックやジュースを飲みながら自由に話す。
3週間の間に約8回のインタビュー(施設部門1回、DUELI2回、海外部門3回、運営部門1回、その他1回)を行った。特にDUELIのSenior managerであるAngela氏にはDUELIのことだけでなくなぜディーキン大学が高いレベルに位置できているのか、なぜランクを上げ続けられているのかということに焦点を当てて聞いてみた。
Angela氏いわく以下の3つの取り組みが重要であると言われていた。
精神面に関してカウンセラーが対応してくれる。また、カウンセラー以外にも各キャンパスには留学生対応をするアドバイザーと呼ばれる人がおり、資格があるわけではないが普段の悩みなど様々なことを聞いてくれる。
実際ウォーターフロントキャンパスに常駐するアドバイザーの方に話を聞いてみたが、以前、友達ができず精神的に参ってしまい国に帰りたいと言っていた中国人が相談にきたので、ボランティアプログラムに参加することを勧めてみたそうだ。すると友達もでき、今でも元気に通学しているといった例もある。
これは本学と同様、医療面に関しては常駐の看護師?及び常駐ではないが医者がおり、無償で見てくれる。これは誰でもインターネットから簡単に予約することもできる。
専門的なことは先生に聞けばよいが、それとは別にもっと一般的なことに関して全学生を対象にWriting Mentor(ライティング?メンター)とMaths Mentor(数学メンター)がいる。Writing Mentorはエッセイの書き方、課題のこなし方、英語の表現方法等の質問に常に答えてくれる。また、Maths Mentorプログラムは、2015年に新しく開始されたプログラムである。担当者は特別なトレーニングを受けており難しい数学の概念や問題に関しての質問に対応してくれる。
ホームステイやシェアハウス、寮など遠方からのオーストラリア人や留学生は相談に乗ってくれる。特にDUELIの生徒は住む場所で悩むことが多いらしく、スタッフがすぐに対応してくれるようである。
無料の法律相談やサバイバルセンターという親からの仕送りが途絶えたときなどにトイレットペーパーなど緊急の物品を支給してくれるセンターがある。またレストランの割引サービスや本屋などもあり、日本でいう生協と少し似ている。
海外からの留学生に対してオリエンテーションが2日間に渡って行われ、論文の書き方や住居、文化、電車の乗り方、スラング、おススメのメディア等オーストラリアで暮らすうえで必要なあらゆる情報が説明される。DUELIの生徒の場合は3日間のリラックス旅行がありグレート?オーシャンロード等に行き新しい生活に早く慣れれるようにするようである。
世界110カ国約20万人の卒業生が同窓会に登録しており、卒業後もグローバルなネットワークの機会を得ることができる。
有料ではあるが勉強専念するために子供を預かってくれる施設がある。
ローカルのオーストラリア人は政府から多額の奨学金をうけることができる。海外からの留学生も国によっては条件次第で数10%の奨学金を受けることが可能であるようである。特に中国やインド人向けにはいくつかの奨学金が設けられており、コースなど一定の条件をみたしていれば受け取ることができる。
連携に関しては政府や地域社会との連携、また国内のみならず海外の一流企業や海外の大学との連携を大事にしており密接な関係を築いている。特にwin-winの関係を大事にしているようでありそのおかげでレベルがあがっているようである。
ディーキン大学は就職に関してオーストトラリアで3位のランキングである大きな理由がインターンシップが盛んであるからであるようだ。ディーキン大学は4,000以上の会社と連携を持っているのでより自分の希望に合ったインターンシップ先を選ぶことができる。そしてインターンシップはそれぞれの学部に担当の部署があり、まずはそこに聞いてみて条件にあうところがないか聞いてみるそうだ。
またディーキン大学の学生は年3学期のうち2学期を使いインターンシップを行うので数カ月という長期にわたってインターンシップを経験でき、それにより単位も取れるので積極的にインターンシップに取り組めるようだ。
仕組みや連携など十分に整っているディーキン大学において何か変えていきたいところがないか気になったので聞いてみた。そこでおっしゃられていたのが「もっとダイバーシティにしたい、色々な国から留学生を集めたい」ということであった。すでに約120国の生徒がいるが、アフリカ、サウスアメリカ、ヨーロッパなどの国の生徒は少なく60カ国以上の国の生徒はまだ受け入れていないため、もっと国際的になればより視野はひろがり可能性が広がるとのことである。そのためには海外学生の調査と広報が重要であるようだ。そのために主にインド、中国、インドネシア、スリランカ、ウルグアイの5つのインターナショナルオフィスを持っており、それぞれが周辺地域の広報活動や学生の動向調査を行っている。また、試験会場になったりもするようである。広報にはSNS等も積極的に活用し、ホームページによる見せ方が最も重視されるべきポイントであるようだ。変えたい点についてはAnjela氏のみならず知りあった学部生やDUELIの学生にも聞いてみたが、設備?施設などの学習環境やサポート体制には大変満足しているようであり、強いていうなら金銭的な問題のみであるよだ。ただ他のオーストラリアの大学に比べると費用はおさえられているようである。
現在は約2,600人の学生を海外へと派遣しており、3年後の2020年までに5,000人まで引き上げることを目標としている。これは理事クラスの人たちの間で決められた数字であるが、担当の交換留学生の部署の方々はクリアするために頭を抱えておられた。策としては以下のプログラムと奨学金の二つがメインとなってくるようである。また欧米よりはアジアに特に重点を置いているようで、日本、韓国、中国、東南アジアへの派遣をしたいと考えているようである。
様々な文化経験やリーダーシップ、ボランティア経験を積んだ学生にポイントを与え100ポイント獲得すれば表彰するというシステムであり、就職活動時にも使えるようである。長期のものだと、半年以上の海外経験、短期であれば4週間程度の語学留学やボランティア等がある。色んな経験を積むことで人として成長することが目的のようである。
またオーストラリアには「ニューコロンボ計画」というものがあり、オーストラリア全体で約43億円の予算がある。そのうちの8,500万円がここディーキン大学に割り振られているため、ディーキン大学の学生は海外渡航に関して補助されるため経済的に留学に行きやすくなっている。
海外留学を希望する人には主に2種類の奨学金がある。2種類ともオーストラリア政府から支給されるものであり1つは給付型で、もう1つは貸与型である。1つは貸与型ではあるが、学生がお金の心配をしなくても済むように返済の際は約380万の収入を超えたときから返済をおこなえばよいシステムとなっている。 (ディーキン大学卒業生の初任給は約400万) もう1つは上記に記載したニューコロンボ計画により政府から約8,500万円がディーキン大学に割り振られているため多くの学生が格安で海外へと行ける。
施設分門の本拠地はバーウッドキャンパスにあり、大きく7つの部門に分かれている。他の部署に比べて比較的部署内の移動はしやすいようである。
数年先を見据えた建物の長期計画をする部門
部屋や外にある施設など全ての施設に関して何か変えたいと思った時に承認を得る部署である。 Ex.会議室を研究室に変えたいなど。
主にはIT技術などの管理をする部門
講義の部屋の予約や授業の時間等を考える部門
バーウッドの大規模な工事の際に契約などを行う部門
バーウッド以外のキャンパスの大規模な工事の際に契約などを行う部門
全キャンパスにおける小中規模の工事の契約や蛍光灯の交換等の修繕、工事業者への指示
約25万以下の工事に関しては随意契約である。約25万~約25億円に関しては3者以上の見積もりが必要である。また3者全てに大学まで来てもらい詳細について現場をみながら聞き取りを行いその後決定するようである。約25億円以上の案件に関してはtender rink websiteというウェブサイトに工事に関する全ての情報をアップし、業者から価格やこれまでの工事経験や工事従事者の能力資格等を提出してもらう。その情報を基にスタッフによる会議を開き1社を選定するようである。ディーキン大学は工事実績の数値化等は行わず職員の判断で決める。またその際重視するのは価格よりも経験であるようだ。そして提出された情報を基に過去の工事施工場所に電話をかけその結果が良かったのか悪かったのかのヒヤリングを行う等し、判断するようである。
ディーキン大学ではディーキンクラウドというシステムを使い全てインターネットから設備などの修理の依頼を行うことができる。便利ではあるが授業で照明を調整したい時などの緊急時には時間を要するため一長一短であると思えた。また何か不審者を見かけた時などは警備のシステムが教職員学生全て備え付けられておりインターネットから緊急のボタンを押し警備会社に連絡することができる。
交換留学の部署のVictoria氏へインタビューを行った際、3週間~5週間の11月~12月中頃までまたは、1月中頃~2月まで、6月~7月くらいに短期の英語のプログラムをセッティングしてくれることを望まれている。京都というだけですごく関心を持たれ、特に建築の分野に関しては高い評価をされている。可能であれば、建築又はデザインエンジニアリングに関する3~5週間の英語プログラムを作って欲しいとのことであった。
本学最初のディーキン大学への交換留学生である西村さんに現地での様子など学生目線での現状について聞いてみた。西村さんは情報工学専攻でありのM1の9月末より交換留学生として来ており再来年3月に帰国予定である。現在大学での授業を受けるにはまだ語学力が足りておらず現在は語学学校DUELIのEPA3にて勉強中である。DUELI卒業後は世界のトップであるスポーツサイエンス分野の学部生として解剖学や人体構造学の授業を受けるそうだ。本学との違いを聞いてみたところ「サポートが厚い」との指摘が印象的であり、本学が改善しなければいけない点なのではないかと感じた。
今回インターナショナルに関する部署を中心に施設や運営の話を聞くことができ、海外との関わりに携わっていきたい私にとって留学生との対応など多くの学びとなると同時に施設に関しては入札の仕方など似ている点もあり、他大学の取り組みや他国の取り組みに関心を持つための良いきっかけとなった。なにより私が本研修により学んだことは、ディーキン大学は学生のことを最大限に考えているということであり、そのことを職員が深く認識し働いているというところであった。だからこそディーキン大学はオーストラリアの学生満足度が1位であるとともにランキングを上げ続けることに成功しているのではないかと思う。
上記に記載した様々なサポートの厚さに顕著に表れていると共に私自身3週間暮らしてみて非常に快適であり安心感 があった。快適というのは単純に楽しいということではなく施設等のハード面の利用に関して快適であったりまた精神的にリラックスできる環境が作ってあったり、困った時には相談できる安心感があるということである。
またDUELIのSenior manager であるAngela氏に「普段どんなことを考えて仕事をしていますか?」と聞いてみた際もWhat is the best future for studentと「学生」の未来にとって何が1番かを常に考えていると話されていた。これはそのための予算を政府が多額に支援しているという点も多いに関連しているのであろう。ただ、予算の問題等どういった制約があったとしても学生にとってのベター?ベストを追及していく姿勢を今後どういった部署でどういった仕事をするにおいても持ち続けないといけないと感じた。その結果として学生の満足度があがり優秀な生徒を集めることができるのであろう。
また、本学としてこういったことができないのかと思うことが2点あった。1点目は留学生向けの日本語の語学学校を併設することはできないのであろうかということである。先方からは「本学には日本語を話せないと派遣できない」と言われたので、日本語の語学学校を作れば多国籍の優秀な留学生を増やすことができるのではないかと思う。また、海外留学生の増加は生徒のグローバルマインドをさらに増すことができると共にうまくいけば収益をあげることもできるのではないか。
2点目は少し抽象的ではあるがスタッフ?学生?教員の距離感をもっと近くできるようにすることはできないのであろうかということである。距離感が近くなればよりお互いのニーズがわかり、大学としてよりよい方向に向かうのではないかと思う。ディーキン大学はトップ2%になるくらいであるので教員は高い評価を受けている人ばかりであるが、生徒との距離感は近く、また職員と教員との距離や職員と学生の距離も近く感じた。オーストラリアでは日本のように教員のことを「先生」とは呼ばず「○○さん」という表現を使う風習があることも大きく影響しているのであろう。ある日、交換留学の部署のスタッフの方とカフェで食事をしていたとき建築系の教員が後から隣に来た際のスタッフの接し方が友達ではないかと思うほどフレンドリーであった。もちろん日本の距離感というのは良い点も多くあるのだろうが、近くなることでより教員にとって研究しやすい大学づくり、学生にとって学業に集中できる大学作りがなにかを把握しやすくなるのではないかと思う。
今回の訪問により自分自身もっと本学のことを知らないといけないと感じる場面、並びに英語力をつけて行かないといけないと強く認識させられた。他大学の人と接した時に恥ずかしくないよう今後精進していきたい。そして、これからも今回のように海外の大学を訪れることで自身を成長させるとともに、本学に貢献できるような人材になりたいと思う。特に今経済的にも技術的にも成長している東南アジア地域の大学や建築が盛んであるヨーロッパなどに行き、現地ワークなども経験してみたいと思う。そのために日々勉強を積んでいきたいと思う。
最後にこの研修に協力して下さったディーキン大学の皆さま、並びに本学施設マネジメント課の上司の方々、並びに協力していただいた他課のみなさまには心から感謝申し上げたい。皆さまの支えのおかげで本当に行って良かったと思える有意義な研修となりました。本当にありがとうございました。