繊維学系 石井佑弥准教授らの共同研究チームは、代表的な荷電法であるコロナ荷電法で荷電したポリスチレン極細繊維膜と比して、電界紡糸のワンステップでの作製(成型加工)と荷電を同時に行ったポリスチレン極細繊維膜の方が約2.6倍以上高い電荷量で帯電していることを世界に先駆けて明らかにしました。加えて、この帯電電荷量の多寡関係が約8ヶ月経過しても維持されることも明らかにしました。これらの研究成果は、電界紡糸のワンステップで優れた帯電特性のエレクトレット極細繊維膜が製造できることを示すため、当該繊維膜の製造方法に新たな道筋を示します。加えて、ワンステップ製造により、製造工程の省工程化や省エネルギー化が期待できます。さらに、当該電界紡糸極細繊維膜とコロナ荷電した当該繊維膜の帯電電荷密度の数理モデルを、これまでに提案されていた数理モデルよりもさらに正確な形で提案しました。本数理モデルを用いることにより、帯電電荷密度という同じ土俵の指標で、エレクトレットとしての帯電量の多寡を定量的に比較議論することが可能となります。
(a)電界紡糸の概説図と(b)電界紡糸ポリスチレン極細繊維膜の走査型電子顕微鏡像(挿入図は拡大像)
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本研究成果は、2024年8月29日付けで「Smart Materials and Structures」のオンライン版 (外部リンク)に掲載されました。
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