材料化学系 野々口斐之 准教授らの研究グループは、アルキル化セルロースを抽出剤として用いることで高品質な半導体型カーボンナノチューブ(CNT)を選択的に分離抽出できることを実証しました。アルキル基の種類、置換度(DS)、分子量などの分子構造が分離効率に与える影響を系統的に調べ、中程度に置換されたヘキシルセルロースが特に半導体型CNTの選択的抽出に適していることを明らかにしました。この方法で得られた半導体型CNTは高純度と高結晶性を両立しており、その膜は、分離抽出前のCNTだけでなく、他の従来技術で分離した半導体型CNTをも凌駕する優れた温度差発電能力(熱電変換特性)を示しました。また、この抽出剤は入手容易かつ安価な原料から調製されており、高品質な半導体型CNTの安定供給につながる可能性があります。
アルキル化セルロースの構造
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本成果は、米国化学会誌「Journal of the American Chemical Society」オンライン版(外部リンク)に掲載されました。
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