機械工学系 山川勝史教授らの研究グループが発表した論文中のイメージ図が国際論文誌「Indoor Air」のカバーピクチャーに採用されました

 機械工学系 山川勝史教授らの研究グループとUniversity of Warwick Dr. Yongmann M. Chung, Loughborough University Dr. Minsuok Kim が共同で発表した論文のイメージ図が国際論文誌「Indoor Air」Vol.32, Issue 11(November 2022)のカバーピクチャーに採用されました。
 
 本研究グループは、エスカレータ利用時における、咳により放出されたウイルス含有飛沫の分散とその感染リスクを数値シミュレーションにより調査しました。一列に並ぶ乗客先頭の感染者が前方に咳をする状況において、乗客の搭乗間隔、上昇?下降の移動方向のパターンを変えて計算した結果、上昇は下降よりも感染リスクが高くなることを明らかにしました。また、感染者からの距離が離れるほど乗客へのウイルス飛沫の付着率が低下し、改めて物理距離の重要性を示しました。本シミュレーションはエスカレータによる人の移動が乗客周りの気流を複雑化し、その気流がウイルス飛沫の振る舞いに影響を与える現象を高精度に算出したものです。この計算技術は、これまで検証されていなかった人や物の動きを含む複雑な状況下における新型コロナ感染リスクを評価したものであり、今後室内環境における複雑な感染メカニズム解明への応用が期待されています。

本研究成果は、国際論文誌「Indoor air」Vol.32, Issue 11(November 2022)(外部サイト)に掲載されました。