繊維学系 田中知成准教授、工芸科学研究科バイオベースマテリアル学専攻博士後期課程 辻爽太郎さんらの研究グループは、高い反応性を有するものの不安定なため水中ですぐに分解してしまう水溶性活性エステルを使った高分子原料(モノマー)を、従来に比べて50倍安定化することに成功しました。これまでに報告されていた水溶性活性エステルを使ったモノマーの水中での半減期注1)は1時間でしたが、本研究では分子の構造を見直して最適化することにより、水中での半減期を50時間にまで延ばすことができ、水中での安定性が格段に向上しました。また、本研究で開発したモノマーを使って作られた水溶性活性エステルを有する高分子は、50時間で約15%しか分解しないモノマーよりもさらに安定なものとなり、水中での機能性高分子の合成に利用することができました。
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本研究成果は、Wiley-VCH社が出版する「Macromolecular Chemistry and Physics誌」(外部サイト)に2022年6月4日付けでオンライン掲載されており、7月19日に発行されると共に、研究内容のイメージグラフィックイメージが掲載誌の表紙に採用されました。
(用語解説)
注1)半減期
ある物質が、その内の半分が分解するまでにかかる時間。