本学の学生と教員の共同プロジェクトに採択されている環境?エネルギー教育普及プロジェクト“TeChLover” (旧:Kyo Tech Lab.)の活動を紹介します。
2019年11月15日(金)、“TeChLover”が、舞鶴市立倉梯小学校において理科実験教室を開催しました。
京都府北部地域に所在がある同校での理科実験教室は、互いの立地状況から、既存の高大連携ほど密な連携は難しいが、単発での開催(本教室)や長期休暇(9月など)を利用する活動という新たな枠組みとして準備期間約3か月を経て開催したものです。理科部25名を対象に、授業1コマを使用して“TeChLover”独自の創造性教育を用いた科学?ものづくり教室を実施しました。普段の科学?ものづくり教室の内容からアレンジを加え、光の屈折に関するミニ講義や演示実験を追加し、ミニサイエンスショーのように行いました。参加した児童らより、お礼のメッセージ集を頂くなど大好評の教室となりました。
なお、同校の部活動は、小学校の正課授業内で運動系や囲碁?将棋などの日本文化に触れるといった「通常の授業では体験することのできない学び」や「さらに発展的に学びを深めたい分野」において児童がそれぞれの分野を選択し、同校教員や地域の方々の指導の下、実施されています。理科部はその名の通り理科(ものづくりを含む)に特化し、実験や工作を実施しています。
団体の代表学生は、「小学校と連携した事業を行うのは初めての取り組みで、実施までの道のりは苦難の連続でしたが、同校校長、理科部顧問の先生方と協議を重ねることで強固な信頼関係を築くことができた。また、団体内をまとめるためリーダーシップを発揮できたことで大成功をおさめました。今回のケースは、大学プロジェクト団体と小学校との『連携活動のモデルケース』及び『地域創生のモデルケース』として確立することができると考えております。」と語っています。
理科実験教室
記念撮影
2019年12月9日(土)、10日(日)、“TeChLover”が、京都市伏見区の京都府総合見本市会館(パルスプラザ京都)にて科学教室を出展しました。
今回の出展内容は「オリジナル野菜ペーパーを作ろう!」です。
本教室では、科学と環境をリンクさせた教材を用意しました。科学要素としては野菜からの色素抽出、環境要素としてはリサイクル紙を取り入れています。
本団体の1つの目標が、色素増感太陽電池教材の開発であり、設立当初から環境?エネルギー教育普及プロジェクトに取り組んできました。今年度はその集大成として京都環境フェスティバルに出展しました。
体験者アンケートでは、9割を超える参加者が「とても楽しかった」と回答し、「環境に対して考えるキッカケになったか?」という問いに対しては、8割を超える参加者が「大いにキッカケになった」、「キッカケになった」と回答しました。その中でも特にリサイクルについては、ほぼ全ての参加者が理解できたと回答していることから、環境?エネルギー教育分野の普及啓発活動を非常に高いレベルで達成することができたが推察されます。
オリジナル野菜ペーパー作り
オリジナル野菜ペーパー作り
2020年2月2日(日)、“TeChLover”が、京都市青少年科学センターにて科学教室を出展しました。
今回の出展内容は「オリジナルせっけんをつくろう!」です。
本教室は、高大連携先の京都市立京都工学院高校サイエンスクラブと共同で出展しました。高校生と連携し、それぞれの良さをいかしながら、終始和気あいあいと活動できました。
石鹸の元に、好きな色?好きなにおいをつけて、石鹸の形もデザインすることができる教材です。この科学教室を終えたあとも、家に持ち帰り使用することができるので、科学教室終了後も科学について考えたり、触れたりすることができます。参加した児童らの笑顔が非常に印象的でした。
2020年2月22日(土)、“TeChLover”が、福知山公立大学学生プロジェクトチームDOKKOとともに舞鶴市立明倫小学校にてものづくり出前授業を実施しました。
今回の授業内容は「世界に一つだけのオリジナルカーを作ろう!」です。
本教室は、本団体代表がものづくり教室を京都府北部地域において実施したいと明倫小学校に提案し、同校校長に快諾をいただき実現しました。また、本学と包括協定を締結している福知山公立大学の中尾教授にも協力を打診し、本団体初の複数大学複数団体による出前授業を実現しました。
本教室は、ものづくりに興味のある児童だけでなく、小学6年生全員に対して実施するため、全体としての到達目標は、「自走する車製作」としました。一方で、打合せの段階で「ものづくりに興味のある児童」が複数いることを同校校長より伺ったため、製作進度の早い児童には導入で補足的に説明したタイヤの径の違いによる速度変化に挑戦し、「速く進む車」を製作してもらうこととしました。講師から道筋を示すことはせず、100人いれば100通りの車ができる教室となりました。
他大学の学生と協力しながら実施することで、「学生らのリーダーシップ力を育成」することができました。また当日の様子は、京都新聞(2020年2月23日朝刊)に掲載されました。
団体の学生代表は、「今後は本出前授業だけでなく、本学福知山キャンパス、北部産業創造センター、京丹後キャンパスを軸に、科学?ものづくりを主とする教育的視点から京都府北部地域の地域創生?地域振興に貢献したい」と語っています。
ものづくり出前授業
記念撮影
”TeChLover”は、子どもたちに「ものづくり?科学の楽しさ」を提供し、大学での学びを地域に還元するため、今後も小学校と連携した教室や京都環境フェスティバル2019などを始め、様々な教室に出展する予定です。