所属 | 分子化学系 |
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氏名?職名 | 熊田 陽一 准教授 |
期間 | 平成28年4月21日~平成28年12月27日 |
滞在先 | 米国 テキサス大学オースティン校 |
受け入れ先であるUniversity of Texas at AustinのDr. George Georgiouグループでは、期間内において、3名の学生がPh.D.を取得した。この間、彼らの博士論文作成や公聴会資料の作成に深くかかわることができた。Ph.D.の学位取得には平均で5~6年を要し、日本の修士課程+博士課程を合わせた期間とほぼ同じである。一方で、審査に必要な論文数は平均1~2報である一方で、CNS (Cell, Nature, Science)およびその姉妹誌への掲載が暗黙の了解であり、1報の論文投稿に費やす時間?費用?労力は日本と比べて非常に大きく、学生ひとりひとりが最先端の教育研究の中心人物として携わっているという意識が極めて強いと感じた。Ph.D.コースの講義の中には、Grant Applicationという外部資金獲得に特化したクラスもあり、学生が1人前の研究者として成長するために必要な教育プログラムが充実していると感じた。
一方で、学内の講義は、地域住民に無料で開放されているクラスが多くみられた。特に、UT CELTAが開催しているFree ESL Class(非ネイティブスピーカーのための英語クラス)が好評で、地域住民から多くの参加者があり、国籍、年齢、性別を問わず、日常生活やビジネス(特に、再就職)に必要なConversationやWritingの教育を受けられる。修了者にはUT CELTAからCertificateが授与され、再就職時や奉仕活動における資格として活用されているようである。したがって、大学自体が学生だけでなく、地域住民の生活に密着し、地域教育の要として存在している姿は、本学も学ぶところが大きいと感じた。