第16回OPEN TECHシンポジウムを開催しました ‐SGU事業‐
(テーマ:細胞間の情報伝達の制御に関する講演会)

 平成29年3月15日(水)、本学のスーパーグローバル大学推進拠点は、「OPEN-TECH INNOVATION」(スーパーグローバル創成支援(SGU)事業)として、本学昆虫先端研究推進センター ショウジョウバエ遺伝資源研究部門と共催で、第16回OPEN TECHシンポジウムを開催し、地域企業および本学学生や教職員など25名の来場がありました。

 今回は、アリゾナ州立大学のStuart J. Newfeld教授をお招きし、細胞間の情報伝達の制御に関するご講演を行っていただきました。ショウジョウバエを材料として、細胞間の情報伝達に重要な役割を果たしているdecapentaplegic(dpp)遺伝子の機能解析とその結果について、スライドを用いたわかりやすい説明がなされました。講演後には、活発な質疑応答が行われました。

 また、dpp 遺伝子産物(Dppタンパク質)と相互作用するタンパク質をコードする遺伝子の探索とその解析について時系列に沿った解説を行っていただきました。細胞間の情報伝達におけるdpp遺伝子の重要性がよくわかり、研究手法や研究を推進するためのアイディアをどのように発想するか、その方法論も得ることができました。
 Dppタンパク質と相互作用するタンパク質の探索においては、ヒトの遺伝子と祖先を共有するショウジョウバエ遺伝子に目星を付け解析を進めたところ、実はその遺伝子は、目的とする相互作用するタンパク質をコードする遺伝子ではなかった、という失敗談を含めてのご講演を行っていただきました。若い学生たちは、研究の推進にあたっての紆余曲折と、それをバネにして更に研究を発展させるためには、どのような考えを持って対処していけばいいのかのヒントを得られたのではないでしょうか。

 海外の第一線の研究者との連携をより深め具体的な共同研究などに結び付けることは、今後の課題となるかもしれません。研究手法など共通する課題があることもわかり、本講演をきっかけとして共同研究の模索がされていくことが期待されます。